2012年3月16日(金) 第3日 晴れ I
映画『善き人のためのソナタ』(2006年、ドイツ)にまつわる場所訪問。
ヴィッテンベルク広場駅でU2で旧東ベルリン地区に入り、アレキサンダー広場駅からU5に乗り、シュトラウスベルク通り駅まで。
そこからカルル・マルクス大通りをフランクフルト門駅までおよそ1kmをぶらぶら歩く。
カルル・マルクス大通りは、西のクアフュルステンダムに対抗すべく、東独の威信をかけて造られた大通りで、両サイドには10階建てのアパート群が林立している。そのアパートに入るのが東独市民のあこがれの的だったという。
70mに及ぶ道幅は、軍事パレードを想定して決められた幅でもある。
現在では、通りも建物もただただ大きく、裏さびれた感じ。
『善き人のためのソナタ』幕切れで、撮影場所に使われたカルル・マルクス書店Karl-Marx-Buchhandlung跡は、カルル・マルクス大通りに面して建つビルの1階にあるが、そこにもほとんど人影はない。
中は書店ではなくなっているのだけれど、看板は往時の書店のものがそのまま残されている。
旧東ベルリン地区のシュタージ博物館へ。
本館である8階建てのHaus1の展示を2階から3階、4階と順次見る。
東独国家の体制のあり方、マルクス・レーニン主義文献、社会主義国家にとってありうべき国民像に沿った人民に仕立てるための教育に使用された教科書、そして国家保安省Ministerium fuer Staatssicherheitsが行っていた国民相互監視システムの実態を示す資料・文献・記録・道具・盗聴盗撮機器・秘密録音装置等が展示されている。肌が粟立つような感覚。
次の写真の展示板に書かれているのはおよそ次のような内容:
「国家公安局Ministerium fuer Staatssicherheit
(MfS)の『敵に対する戦い』の『主たる武器』は非公式協力者inoffizielle Mitarbeiter
(以下、IM)であった。
彼らの任務の中心にあったのは住民の監視で、国家保安局のスパイとしてIMは、同僚や友人、級友の情報など、社会のあらゆる分野から報告を行った。
1989年に国家保安局は約189000人のIMを運営していた。その中には、西側で国家保安局のためにスパイ活動をしていた3000人以上の西ドイツ市民も含まれていた。… (以下略)」
当時の旧東ドイツの人口がざっと2000万人として、MfSの正規職員を加えると、国民の100人に一人以上は互いを監視するスパイだったという計算になる。
(第3日続く)
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