2012年3月17日(土) 第4日 晴れ Ⅲ(つづき)
18時にフィルハーモニー傍のソニーセンタービル内のカイザーザールKaisersaalにあるレストラン「ルッター&ヴェーグナー」Lutter &
Wegnerで3人の女性たちと待ち合わせ。
1人はロンドンから、2人は東京から合流。
ベルリン・フィル演奏会の前に4人で軽く腹ごしらえ。
ヴィーナーシュニッツェル、りんご豚、いくらと鮭、そしてもう1皿、別々のメインディッシュを1皿ずつ。それに、各200ml入りのグラスの、白ワイン×1と赤ワイン×3を味わった。
いずれも最近とみに美味しくなっているオーストリア・ワイン。白ワインも良かったが、赤ワインが出色の出来で全員の高い支持を得た。
赤ワインの造り手名をメモしなかったのが悔やまれるが、曖昧な記憶によると、オーストリア東部ブルゲンラント地方のアラホンArachonという造り手のブラウフレンキッシュBlaufraenkisch(とCS、M、ツヴァイゲルトZweigeltの混醸)だったか?
鮮やかで濃い紫赤色、赤系果実の華やかな香りがして、爽やかな酸に支えられた果実味豊かで穏やかな渋味が広がる。とてもバランス良く、飲み口爽やかな印象で、若々しくて美味しい。また飲みたくなる味わい。200mlで €7,50。
19時20分頃ルッター&ヴェーグナーを出てフィルハーモニーへ。
20時、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団公演、ズビン・メータ指揮ブルックナー作曲交響曲第8番の、15日、16日に続く3回目にして最後の演奏。
大ホールであるにもかかわらず、視覚的にも居心地的にも、まるで室内楽ホールで聴くような近さと温かな親密さで、そしてどこの席でも均質な音響で音楽を享受できるように作られている(らしい)。
私自身はこのホールで演奏会を聴くのは4回目。
ホールが出来てから既に51年が経過し、全楽員が、戦前は別の場所にあったシューボックス型の前フィルハーモニーで演奏した経験を持たない世代となり、入団して以来すべてこのホールを本拠地として演奏を続けているので、ホールとオケが完全に一体化したかのように共鳴する。聴衆はその響きにすっぽり包み込まれ演奏に聴きほれる。
最弱奏から最強奏までなんという大きな振幅で鳴ることか。
最強奏時の音圧に圧倒され、それでいて弱奏時の細やかな繊細さは無類である。
木管楽器の入りの完璧な揃い方、和声的な重みづけを反映した絶妙の音量のバランスが作るアンサンブルの美しさ、金管楽器群の力強さ、ティンパニの決然とした打音、弦楽器は弦楽器で、第8プルトの内側の奏者までほぼ同じ技量を有した16人の第1ヴァイオリン群の音がマッスとして聴く者に迫ってくる圧倒的迫力、5種の弦楽器群が揃いもそろって第1ヴァイオリンと同じように圧倒的な音を出す。
一個の有機的演奏体としてこれ以上の団体を想像することは難しい。これに比すことが出来るのはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団くらい。
世の中に存在しうる最良の音響発信体を聴いた。
しかしメータの音楽表現に完全に納得したかというと若干の留保がつく。
ブルックナーの最長で最高の交響曲には、聴く者をもっと深い感動に誘う演奏があるように思う。
ベネディクト・フォン・ベルンシュトルフによるBerliner Morgenpost (Berliner Tagesblatt?) の15日の演奏評に同感である(IV-1参照)。
(第4日つづく)
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