2010年11月23日(火) 第4日 晴れ
9時サン・ジョルジョを出発。ジャヴェーノGiavenoにあるチョコレート職人グイド・カターニャGuido Catagnaさんの工場へ。
カ ターニャさんの説明で、カカオ豆の3大輸出国はヴェネズエラ、メキシコ、エクアドルであることを知る。ヘーゼルナッツを練り込んだ本物のチョコレートのあまりのおいしさに相当量を買い込んだ。
トリノ市内へ戻る。
古代エジプト博物館見学。
トリノ一の高さの塔、モーレ・アントネッリアーナに登る。しかし、エレベータ工事のため15mの高さまでしか上がれず、映画博物館となっている館内で遊ぶ。
昼食は、レジーナ・マルガレッタRegina Margaretta にてピザ・ラン
チ。
昼食後、グループと分かれ単独行動(Eさんと2人)で、トリノ王立歌劇場のマチネ公演、プッチーニ作曲『蝶々夫人』を観劇。
演出はダミアノ・ミキエレット(2011年5月~6月の新国立劇場公演『コシ・ファン・トゥッテ』を演出)。蝶々夫人はラファエッラ・アンジェレッティ(ダブルキャストの一人。もう一人はHui He)。
演出家ミキエレットにとっては、日本人もベトナム人、タイ人、中国人、韓国人も視覚的に一緒らしい。あるいはむしろ積極的に、舞台が日本であることに拘らず、民族的相違を認識した上で広くアジアを舞台にしているということかもしれない。
蝶々夫人はキティちゃんTシャツを着て登場。息子には、ピンカートンから貰ったらしいU.S. ARMY(NAVYではなくて?)のTシャツを着せて抱きしめたりする。
指揮はピンカス・スタインバークPinchas Steinberg(ウィリアムの息子)。1980年から1981年にかけてシュトゥットガルトで何度も聞いた指揮者で、30年振りに懐かしく聴く。
視覚的には日本人として抵抗を感じたが、音楽的には、今年(2010年)東京での引っ越し公演で披露した質の高い演奏を本拠地でも聴かせてくれた。
聴衆の緊張感は日本の方が高いのではないだろうか。
また、聴衆の高齢化には驚かされた。老婦人のなんと多いことか。最近の日本と同じ。
トリノからピオサスコへ戻る。
宿から徒歩10分の城レストラン「九羽の黒つぐみ亭 Nove Merli」にて白トリュフ尽くしの晩餐。
Sさんの完璧な準備のお蔭で極上のメニューが組まれていた。父君と一緒に作ったソーセージに始まり、持ち込みの白トリュフを使って、続く3皿すべてにたっぷりのトリュフが振り掛けられた。初めてにしておそらく最後のトリュフ尽くしを堪能。
ただ、日本人の胃袋には大きすぎるポーションのため、なんとしたことか、最後の2皿を食べ残した。ところが、あまりにおいしいデザートは別腹に入り、デザートワインとともに全員ペロッと平らげた。
「九羽の黒つぐみ亭」は、ロンバルディア州ミラノ出身のラティーニ家の経営。
息子がソムリエで、シモーネさんより1歳年下。高校時代までピオサスコで一緒に育った仲?
ワインへの、すこぶる付きの熱情溢れるソムリエ。例えば、シャンパーニュ地方まで自ら車を運転して、マニピュラン・レコルタンのシャンパンを仕入れに出かける等。
ワインを説明する語り口も熱意のこもったもので、Sさんとのやり取りを傍で聞いていて(イタリア語なので内容は分からないにもかかわらず)思わず力が入ってしまう。
痩せ形の息子に対し、父君は、見るからにおいしい料理を作りそうな恰幅の良い体型。温和な顔付で、確かな料理の腕を持ち必ずおいしいものが食べられそうな印象を人に与えるシェフ。
6人全員の3皿の料理に自らトリュフをすりおろすために登場し、料理とトリュフへの愛情に満ちた様に見惚れてしまった。
完璧な料理とトリュフの相性に脱帽。このようなトリュフ尽くしメニューは、Sさんによると通常5~6万円はするとのこと。
ホール全体を取り仕切るのは、小柄で可愛いお母さん。私達が食べきれないのを見て残念がることしきり。温かい人柄。
ワイン10 ロゼ・シャンパン
造り手:Herbert Beaufort
ワイン名:Brut NV. MR.(マニピュラン・レコルタン)
マニピュラン・レコルタンは、自家栽培のぶどうを使ってシャンパンを造る小規模生産者の意。これに対し、モエ・エ・シャンドンやポメリー、クリコ等の、全部または一部のぶどうを買い付けて造るシャンパン・ハウスはネゴシヤン・マニピュラン(NM)と称する。年間生産量何十万本のこれらの大規模生産者はほとんどがNMである。
ボトル、ラベルの写真欠。グラスに注がれたロゼの色調が次の写真では正確に伝わらないかも。
ワイン11 赤
造り手: Gastaldi.
ディノ・ガスタルディDino Gastaldiが現代の醸造家の中で最も才能豊かな者の一人であることは疑いを容れないが、あまりにも厳格で商業主義に乗らず、自らの哲学を曲げて(ガンベロ・ロッソ等のワイン評価書の)出版社の期日や予定に合わせることなどしない。14haのぶどう畑を持ちながら、満足に足る品質に達したと判断したものしか自らのワインにはしない。このバルバレスコは2000本/年とのことで、ほとんど市場には姿を見せない。通常14haの畑を持っていれば多ければ14万本、少なく見積もっても7万本は造るところだが、彼は白赤あわせて全部で2万本しか造らない。「妥協」ということばは彼のワイン造りにはない。
ワイン名:Barbaresco DOCG 1994.
評価:
16年を経て未だ若々しく、品種の典型香が官能をくすぐり、タンニンはあくまで柔らかく、酸と甘のバランスが絶妙。素晴らしいバルバレスコである。
ディノの頑固さに、ガンベロ・ロッソ側が付き合いきれないと思ったのだろうか、2000年度版から始まったGambero Rosso への掲載を、2010年度版から中断したようである。ディノは、醸造家のカルロス・クライバーか!
そのようなガスタルディの1994年物が飲めるなどというのは、息子のソムリエの選択眼と、ワインリストには載せていない秘蔵の希少な在庫の中から供出する気にさせたSさんの功績。貴重な得難い機会を共にできたことに感謝したい。




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